札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年11月14日月曜日

模擬患者養成WS

11月2日 SP(模擬患者)養成についてのWSに出席した。

医学部4年生に対して行われるOSCEの医療面接の課題には必須の
SPをどのように養成していくのかを各大学の現状の共有も含めたWSであった。
SPについては大学内での養成を行なっているところと、
学部に委託している大学と2:1程度の割合であった。

内部養成のメリットとしては
大学の教育の方針にあったSPの養成ができることである。
4年生のOSCEだけでなく、1年生向けの課題、
6年生向けの課題など、幅広く応用することができる。
デメリットとしては、養成まで時間がかかることと、
SPを指導する教員の負担・各SPの一般化が難しいことなどが挙げられた。
SPの一般化(質の担保)についてはこのWSで一番のテーマであった。

外部委託のメリットとしては、
質がある程度保証されていることと、
教員の負担が少ないことなどであった。
逆にデメリットとしては、
経費がかかる・小回りが効かない。
教員がOSCEに関心がなくなる等が挙げられた。


札幌医科大学もSPの内部養成を進めているところであるが、
内部養成を目指している多くの大学では、本学と同じように
OSCEの1-2ヶ月前から、SPに課題の練習をしてもらい、
本番に臨むという態勢をとっているようであった。

そんな中で、年間をとしてSPの活動を行なっている大学からの
発表は非常に参考になった

試験の前の一定期間だけ、活動するのではなく、
年間を通して、学習会などの企画を行うことにより、
継続した教育活動が可能となっているようだ。

SPの養成は単にシナリオをもっともらしく演じてもらうだけでなく
学生へのフィードバックの仕方や、コミュニケーションの技術・
SPどうしでの学習会での指導の仕方など
教員側から彼らに提供できる情報は多い。
そういった情報交換会を定期的に行うことにより、
良好な関係を築くことができ、
SPどうしで、技術を高め合うことも可能になり
好循環が生まれるとのことであった。

本学でもぜひ取り入れていきたい。(助教 松浦武志)