札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年11月21日月曜日

NO IMPACT MAN

『地球にさやしい生活』(ローラ・ギャバート監督:米国 2009年)という映画を観た。

ニューヨークに住む夫婦が環境に全く影響を与えない生活に挑んだ1年間の記録である。主人公は作家であるが、ブログNo Impact Man.comを立ち上げ、雑誌「タイム」が選ぶ環境に関する世界注目ウェブサイトでトップ15に挙げられているそうだ。

主人公が選んだ生活上の原則に次のようなことが含まれる。電車もエレベーターも使わない、食べ物は全て青空市場で買いゴミを出さない、外食はせずコーヒーも飲まない、生ごみはミミズを飼って土に戻す、レンタル菜園で野菜を栽培する、電気を使わない(冷蔵庫、洗濯機が使えない)。これでは余りに不便であるということで、少し工夫をして太陽電池を取り入れてコンピュータでブログは更新している。この辺のことがコミカルに映像化されている。

1年間限定で始めた生活であるが、中々大変である。夫婦喧嘩にもなる。とは言え様々な困難を乗り越えながら、少しずつ環境保護に対する二人の意識が変わってゆくのがわかる。行動も変わってゆく。自転車を手放さない。テレビは見ない。友人を招いて遊ぶ。できなかった料理を妻がするようになる、等。

原発事故以来、環境問題に対する日本人の関心が高まっている。今こそ沢山の日本人に観てほしい映画であるが、私が見た会は休日の昼なのにたった3名であり、あやうく私一人で貸し切りになるところであった。本作品を観ることで、自分の生活上、本当に必要なことは何なのかを考える契機になるだろう。(山本和利)