札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年11月4日金曜日

病院前救護におけるメディカルコントロール

第341回 プライマリ・ケアレクチャーシリーズ(以下PCLS)の報告です。

今回、私は「病院前救護におけるメディカルコントロール」について、お話しさせて頂きました。皆さんはメディカルコントロールって言葉、聞いたことがありますか?私は以前、病院前救護体制における指導医等研修を受講したことがあります。救急センターでは知らない人のいないこのメディカルコントロール(以下MC)という言葉も、地域で働かれている先生達には聞きなれない言葉だって事に気付いたためです。

メディカルコントロールとは、医療サービスを提供するにあたり、その質を保証し同時に患者の安全性を確保する仕組みを指します。具体的には医療関連行為を以下の4要素から担保する仕組みの事です。

・医学的方向性の決定は、医師によって包括的になされる。
・医療関係職種が実施する医療関連行為は、医師の指示のもとになされる。
・実施した結果については、常に医師によって医学的解析(検証)を受ける。
・検証に基づいて、体制についても見直しがなされる。

病院前救護におけるMCとは、地域全体をひとつの医療機関とみなし、医療機関内と同様の仕組みで傷病者に提供する医療サービスの安全と質を保証することを言います。地域で救急医療に関わる全ての関係者の方々に広く、病院前救護におけるメディカルコントロールという考え方やその仕組みを知って頂き、自身も地域医療に貢献できるよう日々研鑽を積んでいこうと思います。(河本一彦)