札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年10月30日日曜日

カウントダウンZERO

『カウントダウンZERO』(ルーシー・ウォーカー監督:米国 2010年)という映画を観た。

核兵器の廃絶を訴える映画である。「我々は糸でぶら下がった核の下にいる」というジョン・ケネディの言葉が繰り返される。核兵器を手にする方法は「盗む」「買う」「作る」の3つ。ロシアのウランは「じゃがいもですら、もっとしっかり保管されている」し、一般市民が生活苦からウランを盗み出している事例が提示される。

核爆発は「事故」、「誤算」、「狂気」の3つのことから引き起こされる。「一機のB52戦闘機が空中分解し、2つの核爆弾が落下した。6つの安全装置のうち5つが破壊され、最後の一つが作動して核爆発を食い止めた」という事実が明かされる。

監督の懸念は3つ。1)ならず者国家が核爆弾を作ること、2)テロリストが核爆弾をつくること、3)人為的ミスによる爆破が起こること。

本作には、世界中の様々な人物が登場し、「事故」、「誤算」、「狂気」の観点から発言している。
発射コードがどこかへ行ってしまったり、訓練用のテープが誤って流され核弾頭発射一歩手前までいったり、1ドルのコンピューターチップが誤作動したり、と数え上げたらきりがない。ロシアに向けて核弾頭が発射されたという情報をロシア軍部がキャッチし、マニュアルに従えば数分以内に大統領が報復の核爆弾を打ち返すことになっていたが、たまたまそのときにエリティンが酔っ払っていなかったため自制したという、笑うに笑えないエピソードが紹介されている。

米国、ロシアを合わせると世界の核兵器の90%以上を保有している現状で、映画の中の一般市民のように「no」という他にどう行動すればよいのだろうか。(山本和利)