札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年10月7日金曜日

血族の王

『血族の王』(岩瀬達哉著、新潮社、2011年)を読んでみた。

著者は、ジャーナリスト。年金等の金融に関わるノンフィクションを多数書いている。

本書は松下幸之助の評伝である。彼の94年の生涯が描かれている。父親の活動が裏目に出て家が没落し、丁稚奉公しながら家名再興を目指す。

二股ソケットの改良、ラジオ事業への参入、ソニーとのビデオディスク戦争等。様々な事業を通じて30万人を擁する家電王国に君臨した訳であるが、本書で一番の読みどころは、その時代時代で出会った人たちとの人間関係であろう。参考にすべき面と反面教師としても部分もある。

晩年の孫に事業を引き継がせようと画策する姿は、豊臣秀吉の晩年を連想させる。晩年の過ごし方を考えせる本でもある。(山本和利)