札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年2月23日木曜日

情報検索実習

2月16日、医学部4年生に情報検索と題した実習をコンピューター室で行った。

 今回の実習の目的は「Up To Date」や「Dyna Med」といった良質な2次資料を使えるようになろうということであった。

 しかし、こうした資料は英語であるためどうしても言葉の壁が高いハードルとなることが多い。実際、半年前にも同じ内容で、講義を行なっているのだが、その後半年間で、実際にUpToDateやDynaMedを使用した学生はほとんどいなかった。

 そこで今回の実習では、単にUpToDateやDynaMedを使ってみるというだけでなく、英語のハードルを下げるための色々なインターネット上のツールを紹介した。

 まずは「Google翻訳」。これはブラウザにGoogle Chromeを使用する方法を紹介した。実際にUpToDateを翻訳してみと、本文そのものはまだまだこなれた日本語には程遠いが、箇条書き程度の英語や目次やタイトルなどはほとんど申し分ないくらいの日本語となっている。
 また、通常の翻訳ソフトが苦手な医学英語もかなり正確に訳してある。
 DynaMedにいたっては、DynaMedそのものがほとんど箇条書きで構成されている医学教科書であるため、Google翻訳でもかなりこなれた日本語になっている! これは凄い!

 次に医学英語に強い「英辞郎」辞書のアドインの方法を紹介した。
 英単語を検索する際、インターネット上の辞書ならば、コピペするだけで、ほとんどの辞書は使用可能であるが、この「英辞郎」は本文をダブルクリックするだけでその単語の意味を表示してくれるのである。コピペよりもさらに時間短縮になって非常に使い勝手がいい!

 今後、学生諸君が医学を勉強し続けるにあたり、「日本語」だけではなく、「英語」を通じて勉強をしなければならないということはもう間違いないことだろう。
 だからといって、精神論で「英語を読め。読まねばならぬ」という時代はもう終焉したといっていいだろう。というより終焉させねばならない。
 こうした「英語」のハードルを下げる機能を紹介することで、学生諸君が良質な2次資料にアクセスする抵抗感が減って、その機会が増えてくれればいいと思う。


 思えば自分が研修医だった10年前、指導医から渡された英語論文を読むために、通常の英和辞典と医学英語英和辞典(ステッドマン)の2つを用意して、同じ単語を2つの辞書で引きながら訳していた時代を思い出した。なんとも非効率なことをやっていたものだ。その当時のあまりの非効率さに、ただでさえ苦手であった英語は、もはや生理的に受け付けないレベルにまで苦手意識が芽生えたものだ。その頃に比べれば、なんて技術が進歩したことだろう。

 おそらく、「翻訳」機能は今後、指数関数的にものすごいスピードで技術革新が進むだろう。今後の10年、いや5年が非常に楽しみだ。(助教 松浦武志)