札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年2月15日水曜日

2月の三水会

2月15日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は11名。稲熊良仁助教が司会進行。後期研修医:4名。初期研修医1名。他:6名。

研修医から振り返り4題。病棟、外来で受け持った患者について供覧後、SEAを発表。

ある研修医。外来症例の報告。小児インフルエンザが蔓延。小児科・発熱外来化している。点滴できる抗インフルエンザ剤が著功。インフルエンザへの過剰な処置を要求してくる。母親に予防の啓発、教育が大切。牛に突かれて転倒。慢性硬膜下血腫から水腫になった症例。

66歳の男性。山好きなターミナル患者さん。胃癌術後、2年。胃癌の転移・再発。アルコール依存症傾向。低栄養とジョクソウで入院した既往がある。入院精査をしたがはっきりした異常を指摘されない。6kgの体重減少。食欲不振が強く、経胃管注入量が増えると嘔吐を誘発する。透視で通過障害あり。CEA、ALP高値。骨転移を考える。IVHポートで対応。信頼関係ができていない。良好な医師患者関係が構築できない。病室へ足が遠のく。難しい宿題を出されている感じ。病棟カンファにかけている。

ある研修医。外来。除雪後の腰痛。インフルエンザ。「口の中が塩辛い」患者。腰痛で経過観察された腎盂腎炎。「排便時に上胸部がしびれる」男性。

胸水貯留の62歳男性。狭心症、糖尿病あり。土木工事に従事歴あり。肩が痛む喫煙者。咳と労作時呼吸困難。胸部XPで胸水を指摘される。CTで胸水、無気肺。呼吸音が減弱。貧血、低栄養、心房細動あり。血性胸水であり、クラスVで悪性中皮腫を疑った。精査加療のため転院待ちとなった。貧血、胸水が悪化。そのうちにせん妄が出現。急変しBiPAP装着したまま転院。死亡し剖検の結果、肺がんであった。転院のタイミングはどうであったのか。診断についての振り返りがあった。

途中、高橋知事との会に参加するため中座。

ある研修医。23歳男性。胸部違和感で受診し、心電図でST上昇があった。どうやって心筋炎を鑑別するのか?チャウグ・ストラウス症候群を受け持つ。胸部違和感があり、上部消化管内視鏡で食道は異常なし。狭心症ではないのか?インスリンを自己中断している糖尿病患者の高血糖。ただインスリンを渡せばいいのか?

41歳女性。喘息発作と肥満(160cm,125kg)、脂質異常症、脂肪肝。喫煙者。インフルエンザ罹患(タミフル内服)後、喘息大発作となる。SpO2:77%(PaO2;52mmHg)緊急入院。人工呼吸器装着。
喘息と肥満の関係について考察。スレロイド吸入合剤についての振り返り。アドヒアランスがあったのか。

来年度からはこの振り返りの会をもう少しシスタティックにすることを計画している。(山本和利)