札幌医科大学 地域医療総合医学講座

自分の写真
地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年2月4日土曜日

楚漢名臣列伝

『楚漢名臣列伝』(宮城谷昌光著、文藝春秋、2010年)を読んでみた。

著者は中国の歴史に基づいた小説を多数執筆している。本書は項羽と劉邦の時代にリーダーに仕え、乱世を戦った十名のNO2の物語である。

はじめは、張良。劉邦を飛躍に貢献した。すごい策謀家であるが、その言を拒まず取り上げた劉邦も偉い。

項羽の軍師であった笵増。劉邦と対比させて、項羽が助言を取り入れず、最終的に四面楚歌となって滅んでゆく姿が描かれる。生き残るためにはNO2の助言に耳を傾けること。

人の友情の篤さや交際の深さを表す「管鮑の交わり」。頸を刎ねられても悔いのない親交を「刎頸の交わり」というが、本書によると最後は離反している。

多くの人間が登場して、1行後に死んでいる。本書を読むと、人間いずれ死ぬということ、安易に生きながられるよりも、毅然と問題に立ち向かって死んでゆく方が後世に名を残すということ、成功するには諫言に素直に耳を傾けることが必要であるということがよくわかる。それが簡単にできないのが人間の性か。(山本和利)