札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年2月17日金曜日

難病患者さんの病いの語り

2月17日、NBMの授業の一環として患者さん二名から患者体験を語っていただいた。導入・司会役は月寒ファミリークリニックの寺田豊医師。

学習目標は、1)患者医師関係についての基本を理解する、2)患者心理を理解し患者中心の医療を展開する、である。

Patient の本来の意味は、疾患を持っている人ではなくて、苦しみに耐えている人である。
患者さんからでしか学べないことがある。
• 医療の現実を知る
• 病気に関わる社会、制度などの問題
• 教科書にはない患者さんの生活、病気への思い
• 物語として医療、疾患を見直す

患者会のいうものを紹介。
• 当事者の会;がんの患者会、COML
• 家族の会;がんの子供を守る会
• 集団療法としての会;AA、断酒会、くろぱんの会(慢性疼痛)、レタスの会(拒食症) 等。
「患者会の、3つの役割」は、 1)病気を科学的にとらえること、 2)病気と闘う気概をもつこと 、3)病気を克服する条件をつくりだすこと、である。

患者会には、「セルフ・ヘルプ・グループ」としての役割 もある。
• 病気の悩みを共有したい
• 同じ障害を持つ人と話をしたい
• 自分の経験を役に立てたい
• 健康制度における修正要素ならびに「第4の柱」としてのセルフヘルプとして

セルフ・ヘルプ・グループの役割は、a) 問題の解決や軽減、 b) 問題とのつきあい方を学ぶ 、c) 安心していられる場所、環境を作る、d) 情報交換 、e) 社会に対して働きかけをする 、等がある。

北海道脊柱靭帯骨化症の会から2名の患者さんをお迎えして講演を拝聴した。

詳細は、割愛させていただくことにした。

最後に学生に向けて
「いつも患者のそばで、
患者と共に病に向き合い
患者が病と折り合いが付けれるように
支える人でいて欲しい!」
という言葉で講義を締めくくられた。

学生にはタイトルをつけて、ライフストーリーとして書きとってレポート提出してもらった。(山本和利)