札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年12月24日金曜日

FLATランチョン:救急蘇生術

12月24日、特別推薦学生(FLAT)を対象にランチョン講習会に参加した。3名が参加(冬休みで帰省中の学生多し)。河本一彦助教が「BLS」の講習を行った。

今回は蘇生講習用の人形を2体、第二内科からお借りした。
はじめに羽幌病院支援の中に救急車で受診した患者の話。救急隊からまず電話。「2歳の女児が飴を喉に詰まらせている。これから5分で行きます。バイタルは安定している」。救急隊到着時に母親は女児の背中をあわてて叩いていた。泣きながら母親に抱かれて来院。診た瞬間大丈夫だと思った。泣いているのは息ができている証拠である。

前回の復習。救急医療と災害医療の違い。2010年からABCからCABに変わった。循環確保が一番大事。心臓マッサージとして胸骨圧迫を1分間に100回以上することが大事。
救命の連鎖(Chain of Survival)が大事:迅速な119番、迅速な心肺蘇生法、迅速な除細動、迅速な高度救命処置。



3人一組で実習開始。65歳の男性。通勤時、胸が痛い。(朝、道端に男性が倒れていた。)声かけ(「大丈夫ですか」)で反応をみる。意識がない。誰かを呼ぶ。誰かが来た。救急車とAEDの手配を頼む。オトガイ挙上法で呼吸を確認する。頸動脈の拍動を確認する。(見て、聞いて、感じて)。一人が気道確保(2回吹き込み:無理に実施しなくてもよい)。もう一人が胸骨圧迫(30回)。AEDが到着。AEDの組み立て。AEDの指示に従う(スイッチを入れて、パットを装着、患者から離れてショックを行う、すぐ胸骨圧迫)。救急車が来るまで胸骨圧迫を続ける。疲れたら交代。

最後に、バック・バルブ・マスクを使って呼吸。頭の正面に立って、3本の指を顎の下に入れて両手で気道確保。5秒に1回注入。

学生からの質問:「呼吸をしている・心臓が動いている場合は?」救急車を呼ぶ。「横断歩道の真ん中であったら?」助けを呼んで、安全な場所へ運ぶ(下がフカフカでは駄目)。「胸毛がすごく生えている場合は?」一枚目のパッドを貼って、勢いよくはがし、2枚目を貼る。「ペースメーカーを装着している患者は?」その場所を避ける。「湿布を貼っている患者は?」はがす(はばさないと火傷する)。「ネックレスをつけている患者は?」外す。「プールサイドで体が濡れている場合は?」水分をふき取る(みんなが感電する)。

細かな解説を交えた元気な指導。学生のできたところを褒めて、気持ちよく実習は進む(山本和利)