札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年9月1日木曜日

東日本大震災

9月1日は防災の日。
『東日本大震災を解き明かす』(NHKサイエンスZERO著、NHK出版、2011年)を読んでみた。

地震はなぜ起こるのか。地球の構造を知ることが大切。コア(内核、外核)、その外側にマントル(下部、上部)、プレートから構成される。プレートは「地球の皮」であり、沸かした牛乳に張る膜のようなものである。プレートはマントル対流によって動かされ、プレート同士が押し合いへし合い「喧嘩」したのが地震となる(プレート理論)。

日本は4つのプレート(北米、ユーラシア、太平洋、フィリピン海)が境界を接するところにある。世界でも例を見ない特殊な位置にある。あるプレートが別のプレートの下に沈み込みこれが地震につながってゆく。プレート境界型の地震。マグニチュード8以上になり、日本では10年に一度起こる。これと別にプレート内にある亀裂に発生する「プレート内地震」がある(阪神・淡路大震災はこれである)。弱い部分を「活断層」として認知される。

マグニチュードが1大きいとエネルギーは32倍。0.2大きいと2倍。その5乗なので32倍。

通常の波と津波は違う。津波は地震により海底面が大きく盛り上がったことにより発生する。海上に突如現れる洪水のようなもので、海面から海底まですべての海水が水平方向に流れてゆく。それゆえ波高が低くても強いエネルギーを持っている。津波には「一度やってくるとなかなか帰ってくれない」という性質がある。水深の浅い場所に集中する。

まだまだ不明の点も多く、完璧な地震予測ができるわけではない。我々にできることは、地震によって危険をもたらす可能性のあるものを極力減らしてゆくこと、防災訓練に参加すること、津波に遭ったら一人で逃げること、くらいだろうか。(山本和利)