札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年9月17日土曜日

絶滅危惧の生きものたち

『これが見納め 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景』(ダグラス・アダムス、マーク・カーワディン著、みすず書房、2011年)を読んでみた。本邦初訳だそうだ。

著者はユーモアSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズで有名な作家だそうだ。本書は1990年に刊行されている(情報の古くなった部分は、みすず書房の編集者が脚注を付けている)。ユーモアSF小説がラジオ番組にあり、二人が世界を回る珍道中というコンセプトを、本書にも取り入れているということだ。

リチャード・ドーキンスが前書きを書いて、科学的な正確さとユーモアを兼ね備えた文章を絶賛している。

英国の新聞社の思いつきで、絶滅種をさがすことになった。まず行ったのがマダガスカル島である。その島のみに生息するアイアイは夜行性のキツネザルである。

インドネシア諸島のコモド島に生息するコモドオオトカゲは体長360cm。人間も喰う。噛まれると、毒性の強い微生物による敗血症で数日以内に死ぬ。トカゲを誘き出すためにヤギや鶏を用意する。

ザイールのキタシロサイ、マウンテンゴリラ。絶滅の原因は密猟によるところが大きいそうだ。たった12ドルのために殺される(買う時には何千ドルにもなる)。シロサイは白くない。誤訳が原因らしい。

調査はまだまだ続く。
スチュアート島のカカポ:世界一飛べないインコ。
中国のヨウスコウカワイルカ。イルカの水中録音のためにマイクにかぶせるコンドームを買うのに一苦労。
ロドリゲス島のロドリゲスオオコウモリ。

貴重とはだれにとってだろう。またそれはなぜなのか。(山本和利)