札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年12月6日火曜日

SP研修会

12月3日、札幌医科大学で、病院ボランティア室主催のSP研修会が行われました。

講師は大阪の倉橋広子先生、この道10数年の大ベテランです。受講生は病院ボランティア「フローレンス」の方々24名です。当講座から2名参加。

まず、「SP」とは皆さんご存知でしょうか?
勿論、自分は special, secret police位しか知りませんでした。も実は「模擬患者」という意味だそうです。

本学では5年生から病院実習(実際に病棟にでて各患者さんを担当する)が行われます。その際に、その患者さんがどのような経過で病気になったかなどを聞くことを「医療面接」と言います。例えば、胸痛の患者さんの場合ですと、LQQTSFA:Location(部位)、Quality(性状)、Quantity(程度)、Timing(いつから)、Setting(状況)、Factor(寛解・増悪因子)、Associated manifestation(随伴症状)などを念頭におきながら「病歴」をとっていくわけです。ただ、医学生に突然やりなさい、といってもできるわけがありません。そのための訓練として「SP」がいるというわけです。
実は「SP」にはざっくりと2つの意味があるのだそうです。

SP:Simulated Patient:模擬患者
  学生が病棟実習に出る前の「練習用」の模擬患者
SP:Standardized Patient:標準化された患者
  OSCE(医学部を卒業するための実技試験)のための模擬患者

同じ「SP」で、日本語では「模擬患者」ですが練習するためなのか、試験のためなのかでその役割は異なってくるようです。SPは一般のボラティアの方になっていただくのですが、実際の患者さんのように演技していただくわけで、どこがどのように痛むか、いつからなのかなどなど「シナリオ」を覚えていただけないといけません。また模擬患者にはまりきって面接後もその患者になりきってしまったり、また学生に対するフィードバックなども必要になり、かなり専門性のある役割でがあることを学びました。

このように書いてしまうと、かなり難しいという印象を受けてしまいますが、やってみると学生と仲良くなったり、「あの時自分が担当した医師が病院で働いているのを見てうれしかった。」などなど楽しいこともたくさんあるのだそうです。

びっちり2時間の研修会でしたが、倉橋先生の明るい、乗りの良い関西弁であっという間の研修会でした。(助教:武田真一)