札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年12月10日土曜日

田中さんはラジオ体操をしない

『田中さんはラジオ体操をしない』(マリー・デフロフスキー監督:オーストラリア 2008年)という映画を観た。

監督は、『フィリピン、私のフィリピン』のマリー・デロフスキー。カナダ国際労働者映画祭2009グランプリ受賞。

ラジオ体操を拒否して会社(沖電気)を解雇されたことに、30年間ギター片手に歌を歌って、抗議し続けている男性田中哲朗さんについてのドキュメンタリー映画である。

会社の社長が代わることによって、社員への締め付けが強くなる。会社のマンドリンクラブの部長として活動しながら、会社の整理合理化によって大量解雇された1350人もの元従業員を支援していた。会社はその時、左遷人事を行う。それでも田中さんは会社に対する批判を続け、職場の労働組合の役員選挙で会社が支持する候補と争う。泣き寝入りする者と戦う者とに区分けされる。田中さんは、会社への忠誠のシンボルとしてラジオ体操を捉えている。ラジオ体操は、昭和天皇の即位と関係して全国に普及したらしい。

映画は日本映画ではなく、オーストラリア映画となっているのは、監督が外国人だからである。音声は日本語と英語。

田中さんの日常や株主総会参加に備えての仲間との予行練習等、面白い映像が満載である。「難しいことしている訳ではない。簡単なことを30年間続けただけ」と田中さんは受け流すが、その継続が難しい。私もブログを毎日書くと決めてはみたものの継続することの困難を身にしみて感じている。

今、ドキュメンター映画が面白い。(山本和利)