最近読んだ本の紹介をしたい。Jean Hartley & John Beningtonが書いた「Leadership for healthcare(The Policy Press, 2010)」である。指導力を身につける必要を痛感したため、アマゾンから送られた情報を基に購入して読んでみた。これまでの指導力に関する本は系統的ではないので、Warwickという人が推奨する 「6 C framework for thinking about leadership」を基本に書いたそうだ。
1. Concepts
2. Characteristics
3. Contexts
4. Challenges
5. Capabilities
6. Consequences
という6つのことが大切であるということであるが、結局具体的なことはよくわからなかった。リーダーとマネージャーの違いについての記述は参考になった。
Leadership concepts
Managers | leaders |
Are transactional | Are transformative |
Seek to operate and maintain current systems | Seek to challenge and change systems |
Accept given objectives and meanings | Create new visions and meanings |
Control and monitor | Empower |
Trade on exchange relationships | Seek to inspire and transcend |
Have a short-term focus | Have a long-term focus |
Focus on detail and procedure | Focus on the strategic big picture |
真のリーダーとは、解決法が見えない大きな課題に、長期的な視点をもって自己変容しながら、周囲の力を引き出しながら行動してゆく人物でなければならないということのようだ。(マネージャーは短期的な視点に立って現状を維持するために解決のわかっている方法を駆使して具体的に物事を管理する人物である)。もちろんリーダーにはマネージャーの能力も求められるとは述べられている。
最後の結論で前述した6Cにもう一つのCが必要でそれはConnectednessと述べている。6Cをうまく結びつける能力を指していると思われる。指導力を伸ばすためには画一的な原理に基づいて行うよりも、「どんなことを、誰のために、いつ、どのような環境で」行うかが重要であるとまとめている。
はじめに他の著者の本は系統的ではないと批判をして論を進めながら、ご本人の結論もあまり系統的な結論でないような気がする。それだけ指導力を磨くということは難しいということであろうか?!(山本和利)