4月9日、前回の講義内容をどれだけ理解しているかを授業で評価してみた(97名)。
® 47歳男性。労作時の胸焼けで受診した。安静にしたり、ゲップをしたりすると治る。この症状が3ヶ月間続いている。
® 放散痛なし、息切れ、動悸なし
® 安静時には起こらない。
® 食事・食べ物と無関係
® 腎血管狭窄性高血圧でACE-I,βblocker, 利尿剤を内服
® 喫煙者
® 父親が49歳時に心筋梗塞で死亡。母親・3兄弟のうち2名が心筋梗塞
(身体所見:省略)
これについて「労作性狭心症」を想定して以下の表を埋めてもらった。(簡便検査の感度65%,特異度89%とした)
症例 | |
検査前確率 | % |
検査陽性時検査後確率 (直観) | % |
検査陰性時検査後確率 (直観) | % |
検査陽性時検査後確率 (計算で) | % |
検査陰性時検査後確率 (計算で) | % |
最終的な確率 | % |
その結果、診断に関する学生の問題点がいくつか判明した。
1. 検査前確率を正しく設定できない
・低く設定する
・計算をしない場合、陽性時、陰性時の検査後確率の振れ幅が小さい
2. 計算をしない場合、簡便検査が陽性になったとしても検査後確率を上げない
3. 計算間違い:特異度からみ
4. 検査後確率の計算ができない
5. 画像や心電図の結果を陰性か陽性かに正しく判断できない
6. 折角計算で求めた結果を最終結果としない:勝手に調整する
7. 理解不能な回答
授業の質を上げながら、評価の結果を研究として発表してゆきたい。