4月14日と21日の授業では、オッズと尤度比を用いて検査後確率を求める計算法を解説した。
ここでは確率をオッズに変換し、三群以上に分類したデータから尤度比を用いて計算する。検査後確率を計算で求めるためには、オッズ(odds )と尤度比に置き換える.覚えるべきことは、検査前オッズ×尤度比=検査後オッズという式である。
患者Aさんの労作性狭心症の検査前確率を50%と想定し、負荷心電図でSTが1.6mm低下したとする.
Aさんの検査前確率は0.5としたので、検査前オッズは0.5/(1-0.5)=1である.負荷心電図はST部が1.6mm低下したので尤度比は表から4.2であることがわかる。検査後オッズ=検査前オッズ×尤度比なので,1×4.2=4.2となる.これを確率に直すと検査後オッズ/(1+検査後オッズ)の式に当てはめ,4.2/(1+4.2)=0.81となる.はじめは50%と考えたが,検査の結果の可能性が81%ということになった.
これに慣れると暗算できるので便利である。数とこなして是非慣れ親しんで欲しい。(山本和利)