札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年4月19日月曜日

北海道プライマリ・ケアネットワーク2010年度定期総会

 4月17日、札幌医科大学においてNPO法人北海道プライマリ・ケアネットワークの第15回理事会終了後、31会員が参加して定期総会が行われた。議事を審議する中で参加施設から意見をいただいた。医師不足が深刻化しておりその解決策として、総合内科を立ち上げた話が二三報告された。それに対していくつかの病院からいかに総合内科を立ち上げてゆくかという質問も出された。総合内科を目指す医師をどう確保するかが当面の課題である。学生教育にかかわり、しっかり課題を与えて指導することが重要であることが確認された。初期研修期間中の地域医療研修とうまく連携できないか。NHKで放映が開始された総合診療医Gの話題も出た。スーパードクターに頼らない総合内科研修システムを確立し、その環境作りが大切である、総合診療科の認知度が低いがそれはパイオニアとして克服していかなければいけない、という意見も出た。一方で懇親会など楽しいことを企画する等の意見も出た。

総会終了後、研修医のポートフォリオ発表会が行われた。研修医3名の発表。「脊椎カリエス、呼吸不全、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、肺炎の患者」を生物・心理・社会的モデルで分析し、その結果家族会議を行い在宅ケアにつなげた事例が報告された。患者だけでなく家族も診ていく必要性を参加者全員で共有できた。「他院に入院紹介したのに入院せず帰宅してしまった腎臓結石・急性腎盂腎炎患者」を通じてコミュニケーション、プロフェッショナリズムについて考察してくれた。「食欲不振、全身倦怠感を訴える胃癌術後の高齢男性」についての不条理な選択を迫られた事例を報告してくれた。

席を移して懇親会が行われ、和気藹々とした中で近況報告に花が咲いた。(山本和利)