札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年3月9日金曜日

臨床推論 頭痛

臨床推論として「頭痛」を担当しました。今回は「頻度」と「緊急度」という観点で頭痛の2×2の鑑別診断表を作成し、それを参考にしながら50歳男性の頭痛に関して訊きたい病歴、とりたい身体所見、行いたい検査などを考えてみました。

緊急度が高く、頻度も大きい「クモ膜下出血」をテーマに、①発症して20分で受診(頭部CTでクモ膜下出血所見あり)、②発症して3日目に受診(頭部CT異常なし)→腰椎穿刺でキサントクロミー、③発症して10分で受診(頭部CT異常なし)→腰椎穿刺で血性髄液、という3タイプを考えてみました。

医師になれば必ず頭痛の患者さんを診察するわけであり、「突然発症(丁度テレビであのシーンだった、など)」「人生最悪の痛みである」「だんだんひどくなってきている」の3つのキーワードは覚えていて欲しいと思います。

また頭部CTをオーダーする際や腰椎穿刺を行う際には、かならず「除外する疾患」「確定する疾患」を念頭に置きながら目的をもって欲しいものです。

危険な頭痛のサイン 
①次第に増悪する
②突然発症
③人生で最悪の頭痛

このすべてが当てはまらなければ「危険な頭痛」ではなかったという論文もあります。(助教:武田真一)