『ロズウェルなんか知らない』(篠田節子著、講談社、2005年)を読んでみた。
過疎の町を再生しようと町に残った若者たちが奮闘する話である。若者が必死になって何かを企画しても(役所は動かず)年寄りに文句を言われ、折角来てくれたお客も旅館の接遇が悪いために、固定客とならない。そんな時に、一人の都会から移り住んだ若者の発想で、UFOで町おこしをすることになる。苦労の末に全国からお客が来るようになったところで、一波乱が起こるという展開である。
本書の題名に入っている「ロズウェル」であるが、1947年7月米国ニューメキシコロズウェル付近で、何らかの物体が回収されたことを含む、一連の出来事を指し、ロズウェルUFO事件とも呼ばれるそうだ。
この事件の真相は、極秘の調査気球であったと報告されている。一方、UFO の存在を信じる者たちの多くは、アメリカ軍が回収した残骸とは「墜落し異星人たの乗り物」であると主張している。
地域医療を再生するには、その地域が活性化されなければならないとよく言われるが、過疎となり産業が傾き、就職先の少ないところをどう再生するのか。本書を読むと、その大変さが実感できる。(山本和利)