札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年3月22日木曜日

3月の三水会

3月21日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は9名。大門伸吾医師が司会進行。後期研修医:5名。初期研修医1名。他:6名。

研修医から振り返り5題。病棟、外来で受け持った患者について供覧後、SEAを発表。

ある研修医。外来症例の報告。60代の男性。長谷川式20点。認知症患者への対応はどのようにしたらよいか。コメント:まず器質的疾患を除外する。ガイドラインを読み込むことも大切。

急性増悪した間質性肺炎。70歳台の男性.橋本病の既往。労作性呼吸困難、SpO2:84% .吸気時fine crackle陽性。咳がひどい。XP;すりガラス陰影。BiPAPを試行。ステロイドパルスとエンドキサンパルスを実施。家族は蘇生を希望した。家族には疾患に対する理解が不足していた。質問に答え、傾聴するしかなかった。1カ月で死亡。

ある研修医。外来経験。院内スタッフがインフルエンザは落ち着いた。認知症患者の湯たんぽによる低温熱傷(見た目より深い層に達している)。不明熱で見つかった膵臓嚢胞性腫瘍。発作性心房細動への対応。

胃癌術後で食事摂取ができない患者さん。関係性を構築するのが難しかった。SpO2が急速に悪化。意識レベルが低下。「そんなに頑張らなくていいよ」という言葉が出て来た。家族の表情は固かった。医師として口にしてよいのかどうかと反省した。こういうセリフを言えるような関係性をつくりたい。49日にお悔やみ訪問する予定。

ある研修医。外来経験。20歳台男性の胸部痛で狭心症の精査(本当に必要なのか?)40歳台女性の体重減少。40歳代男性の肉眼的血尿。

80歳代女性。発熱、咳そう、喀痰。認知症の夫と二人暮らし。足関節の痛みが出現。偽痛風と診断された。全身倦怠感を訴えたので、患者背景を探った。夫に問題行動があることがわかった。家の中は荒れ放題であった。そこに介入して問題が解決し始めたら症状も軽快した(患者さんのうれし泣きを初めて見た)。「病気を診るのではなく、患者さんを診る」を再認識した。

ある研修医。外来経験。帯状疱疹後神経痛の患者への処方。中年男性の肛門周囲膿瘍(コメント:HIVを疑い性行動を訊く)。肺塞栓症。糖尿病性壊疽。家族歴をもつ肺塞栓症。

80歳代女性の意識障害。頸部骨折術後。糖尿病で血糖降下剤内服中。嘔吐、失禁あり。会話がおかしい。頻脈。血糖値が824mg/dl以上。WBC;23,000、人工関節部位の感染とそれによる敗血症であった。その治療により意識障害は改善した。

(山本和利が)会議で途中退席したため、1名分割愛。

スキルアップセミナー終了後、市内の居酒屋でニポポプログラムが終了となる研修医の壮行会を行った。それぞれ道内の医療機関で総合医(総合内科)として就職する。(山本和利)