札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年1月15日日曜日

エンディングノート

『エンディングノート』(砂田麻美監督、日本、2011年)という映画を妻と観た。

娘がとり続けた膨大な家族の記録に、父親の死を中心に編集したドキュメンタリー映画である。

会社人間で仕事一筋の男性が退職直後に癌を宣告される。その直後から、この男性は「エンディングノート」と呼ばれるマニュアルを作った。この男性の死ぬまでの過程を、映画を職業としようとする娘が密着して映像化したものである。

残された時間を前向きに生きようとする父親と家族をユーモラスに描いている。死を迎える場面では、館内にすすり泣く音が響く。(でも、癌と宣告されてから、やっと家族の大切さに気づいて死んでゆくことで本当に幸せといえるのだろうか。家族を顧みなかった67年間は何であったのだという、女性・妻からの厳しい意見もある)。

仕事と家庭をどのように両立させるか、老後をどう過ごすか、死をどのように迎えるか等、考えさせられる映画であった。(山本和利)