札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年7月25日月曜日

医師教育を変革すべきか?

7月23日、広島市で行われた日本医学教育学会の招聘講演「Should Japanese Medical Schools and Teaching Hospitals Change How They Train Physicians?」を拝聴した。演者はOregon Health & Science UniversityのGordon L. Noel教授である。

まず日本と北米の医学教育を比較された。
日本は学業以外経験のない18歳の学生が入学してくる。日本の研修を一言でまとめると、総合的な臨床研修が欠けている、ということである。日本人には、忍耐力がある、学ぶ熱意がある、医療以外の生活に気が散らない、指導医に敬意を払う、という良い資質がある。しなしながら、鑑別診断能力が低く、複雑な判断ができない、時間管理ができない、治療計画を立てられない、反論能力が低い、医療チームでうまく働けない、といった不十分な研修結果となっている。

一方、米国は競争率が高い。面接・経験・実践がテストと同様に重視される。患者を第一に考えるが、生活のバランスも重視。幅広い人生経験。強い好奇心。成人学習理論を採用されており、自分の力で推論して解決することを求められる。EBMの実践も求められ、それなりの責任を持たされる。指導医がしっかり監督し、新しい教育手法を取り入れて、絶えずレベルアップを図っている。米国の研修医は総合的な研修を受けている。

結論としては、混ざり合い(hybridization)が重要であるということであった。

レベルの高い医師を育てても制度が不備であれば、国民全体に恩恵をもたらさないことは米国の例で明らかである。

コストは米国の1/3で、平均余命は世界一というのが日本の医療がある。そのような成果に対して、「日本の医学教育をどうして変える必要があるのか」という反論にどう答えるのか?

変革は必要であることは誰もが気付いている。医師の意識・マインドが変わるような制度の変革を求めたい。「医師の50%を総合医にする」が私の提案である。(山本和利)