札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年7月22日金曜日

地域医療教育

7月21日、広島市で行われた日本医学教育学会の「地域医療教育」の口演を拝聴した。(途中から)

地域医療に関する学生の意識調査:岡山大学
興味は1年生より4年生の方が高い。4年生になると働く場所は大学病院がなくなる。先端医療から遅れているというイメージを持っているものが多い。地域医療の講義後、イメージが変わった率70%、興味の保持率は52%であった。

地域医療奨学生への入学動機に関するアンケート:筑波大学。
現在、対象者は1171名で全医学生の13.2%を占める。2010年に入学した38大学の1年生、対象542名中440名が回答。
入学動機:医師不足に貢献:30%であった。奨学金の影響がある;60%
意欲を見るため、終了後にも地域医療従事を聞いた:50%が従事すると。義務がないとしても:90%が従事する、とモチベーションはかなり高い、と解釈している。

地域医療奨学生の男女間における意識の違い;琉球大学。
5年生32名。女性は専門医志向傾向あり。女性は母校の大学病院や民間病院を挙げているが、男性は母校大学を1人も研修病院候補に挙げていない。公立病院希望者が多い。離島・へき地には男性の方が積極的である。

見学型から達成型へ:福島医大。
ホームステイ型、長期休暇型課外実習。地域密着型。心電図を自分で取り判読する。懇親会で地域住民と接する。

家庭医療集中セミナー参加者へのアンケート:長崎大学
同じような実習を受けた医学部5年生と比較。
セミナー生:総合医を目指す。へき地・離島の診療所・小病院を希望。不安は医療レベルなど、技術面の不安が多いが、生活面の不安は少ない。

学生主導型ヘルスプロモーション実習;長崎大学
68名。学生が11講話を行う。実習未実施学生よりも疾患の理解を深める可能性あり。

在宅ケアコースの質的研究:筑波大学
医学部2年生111名。教員が体験した症例をシナリオにして検討。1)医師は病院で治療。2)医師は治癒を目指す。3)患者中心の医療、4)医療連携を尊重、の4つのモデルがあがった。学生の中でも様々な視点があることがわかった。

地域医療教育の全国調査:鹿児島大学
カリキュラム外で「地域の魅力を伝える」実習が多い。奨学生だけに地域医療教育をしている大学はない。

アンケートを中心とした実態調査が多かった。今後は、どれだけの医師が地域医療に従事するかが問われることになる。教育の効果を短期で評価することは酷であろうが、我々はそれに応えなければならない使命を負っている。(山本和利)