札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年7月21日木曜日

小児救急疾患

7月20日、札幌医科大学においてニポポ・スキルアップ・セミナーが行われた。講師は札幌徳洲会病院小児科・血液部長の岡敏明先生である。テーマは「小児救急疾患」で,参加者は20数名で、学生さんが多かった。
「子どもは嘘をつかない。機嫌がよく笑顔の見られる子に、重症者はいない。」という言葉で始まった。
水分、食事摂取ができているか。3カ月未満の38.5℃以上は原則入院。「痙攣・意識障害」「嘔吐・脱水」「喘鳴、呼吸困難」を伴ったら入院。ぐったりした2歳児。Hibによる髄膜炎、敗血症であった。

様々な事例を写真で提示。「溶連菌感染の口腔所見」。溶連菌感染を疑う母親の意見をむやみに否定してはけない。「アデノウイルス3型」庭石に水をまいたような所見。「突発性発疹」。6か月から1歳児。「伝染性紅斑(リンゴ病)」「水痘」「はしか」。頬膜のコプリック斑が有名。「手足口病。(夏風邪)」。「川崎病」。イチゴ舌。不定形発疹。硬性浮腫。BCG瘢痕の発疹。

痙攣・意識障害のみかた。
有熱性が無熱性か。痙攣が30分以上続く、意識がもどらない、と痙攣重積である。Time will tell you.30分待つ。痙攣が止まっていない場合、ダイアップ座薬、アンヒバ座薬で時間稼ぎ。人を集める。ルートを確保し、ドルミカム静注。頭部CT.挿管。実際には、ほとんどが熱性痙攣である。
「軽症胃腸炎関連痙攣」という病態がある。痙攣が群発する。ジッゼパムが効かない。デグレトールが効く。
「揺さぶられっこ症候群」。身体虐待。脳CTを撮る。

消化器疾患のみかた。
「ロタウイルス、ノロウイルス」白色便。終生免疫は得られない。経口補水液(OS1)がお勧めである。母乳は禁止しない。止痢剤は使用しない。「腸重積症」。間欠的に泣く。不機嫌。血便。Target sign、蟹爪状陰影。「ヘルニア陥頓」腹部を痛がる子は鼠径部も診る。「虫垂炎」。初診医は虫垂炎ではないと言うな。翌日、再評価すること。イレウスも頭の片隅におく。虐待ということもある。

呼吸器疾患のみかた。
「気管内異物」呼吸音の左右差。気になったら、迷わずXPを。SaO2<95%は帰宅させてはいけない。喘息と思ってもXPを撮らないと「ウイルス性心筋炎」を見逃すことがある。「クループ症候群」。オットセイのような声。吸気性喘鳴。

今回は内科医への教育を目的に、道内の小児科医が協力して作成されたスライドで講演が行われた。このような講演会でたくさんの医師や学生が学ばれることを期待したい。(山本和利)