札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年11月12日金曜日

FLATランチョン勉強会

11月12日、特別推薦学生(FLAT)を対象にランチョンセミナー勉強会に参加した。18名が参加。身体診察その5として木村眞司先生が神経診察の指導を行った。

まず河本助教を患者役に実際の診察を披露した。頭痛を主訴に受診の30歳代男性。転げまわる痛み、目が痛む。嘔吐はない。脳外科のMRIで異常なし。群発頭痛。ペンライト、眼底鏡、ハンマーを使用。

まず5分間の簡易診察法を披露した。ペンライトで目に光を当てる。眼底鏡で両眼底を診る。指を追視して視野の検査。額、口唇の筋力を検査。顔面、両手、両足の知覚検査。バレー徴候検査、握力、上肢・下肢の筋力検査。ハンマーを用いて上肢・下肢の反射検査。指―鼻試験。手でギンギンギラギラ。閉眼で直立。歩行検査。踵歩き、つま先歩き。タンデム歩行。片足立ち。両手を前に出して蹲踞。

一通り終わったところで学生から質問を受ける。指鼻試験は小脳機能を診ている。協調運動の検査。肩が伸びるくらいの距離で行うのがコツ。距離をうまく測れない例をコミカルに演じて学生からの笑いを誘う。バレー兆候(立位、閉眼)。異常例では手が回内して下がってくる。軽度の麻痺があるどうかを検査する(錐体路兆候)。ここで脳梗塞、脳出血の説明。TIAなど軽微な麻痺の時、下から勢いよく持ち上げると、行き過ぎて戻る場合がある。脳梗塞になると相対的に回内する筋肉が強くなる。徒手筋力テストのコツは、鼓舞する、途中で筋力を変える、筋力が出にくい患者の不利なポジションで始める、左右を比べる。正常な人を沢山診ることが向上のコツである。ギンギンギラギラは片手ずつ行う(回内・回外を繰り返す)。大きく速く。ここでパーキンソン病の説明。患者の模倣。筋強剛。蹲踞は体幹の筋力を診ている。手を前に出させるのは手を使わせないためである。

今回は参加者数が最大であった。11月27日の家庭医療フォーラムのビラを配布して終了となった。

松前町立松前病院で実習したい場合は、hospital@e-matsumae.comの岩城主査に連絡を。(山本和利)