札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年1月23日日曜日

地域医療の現状と取り組み

1月22日、北海道観民医連医療活動交流会に招かれ、冒頭で「地域医療の現状と取り組み」の講義を行った。映画『ダーウィンの悪夢』を導入に「ミクロ合理性を足し合わせた結果、マクロ状況の不合理につながる」という話をした。医療界においても医師それぞれが自分自身の眼の届く範囲で一生懸命やっていても、総和として地域医療がうまくゆかないことに結びつけて話した。

サーカーのアジア大会、カタール戦で日本チームは後半一人少ない人数でも全員が危機意識をもってお互いをカバーし勝利をもぎ取った。日本の医師も地域医療に対してそのような姿勢で臨んでほしいものである。

次に実際に出会った患者さんの例を挙げながら、現実の医療の現場は混沌として、単純化できず一筋縄ではゆかないことを話した。混沌とした現実に対応できる総合力を持った医師が求められる。最後に、地域医療再生の5つの作業仮説を述べた。熱心に聴いてくれている雰囲気が伝わってきて大変話しやすく、気持ちよく講演を終えることができた。

休憩後、各地域から活動や取り組みが紹介された。釧路地区から「高齢者医療の取り組み」、江差地区から「地域連携の在り方」、黒松内地区から「地域医療の現状」、宗谷地区から「市民要求に基づいた展開」、オホーツク地区から「病院の役割」、十勝地区から「地域連携の現状と課題」、札幌地区から「地域連携の課題」である。

その中で、診療所の無床化の動きや在宅重視への変化、道立病院との連携強化、住民の活動、常勤医不在の問題、2次病院の受け入れ拒否による地域連携の問題、斑状に欠損する地域の専門診療科の問題、新たな都市部の紹介・逆紹介制度について、等が報告された。

以上のことがTV会議システムで中継された。参加者は約70名とのこと。一つの組織のみならず様々の組織間の連携が盛んとなって地域医療が再生することを期待したい。(山本和利)