札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年3月5日火曜日

映画による医学教育


35日午後、NBMの授業の一環として映画を用いた教育を試みた。

はじめにシネメディスンの紹介をし、映画批評の概説を述べた。

その後「ドクター」というウイリアム・ハート主演映画の開始から終了まで123分間分を観てもらった。あらすじは、「恵まれた家庭と高い名声を誇る心臓外科医が、突然癌宣告を受けることで一転、一人の無力な患者になる。患者になってはじめて気づく自分の務める病院システムの事務的で冷たい接遇や医師の態度。家族と築けない良好な関係。そんな状況の中で、末期癌患者と出会い、新たな人生の模索を始める・・・」。

その後、映画を観て感じたことを小グループに分かれで話し合って貰った。重篤な病気に罹患しないと態度が変わらない医師のあり方や違和感のある病名告知のあり方等、たくさんの指摘があったが、全般的には医師のあり方について学ぶことができて有益であったという意見が大半を占めた。映画論的な批評も少なからずあった。医師と患者の立場によって白黒のコントラストをつける、患者視点のカメラワークの変化、音楽の使い方、対立する立場の浮き彫り、等。

医学生への態度教育の一つの選択肢になり得ると実感できた講義であった。(山本和利)