札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年4月17日日曜日

フード・インク


『フード・インク』(ロバート・ケナー監督:米国 2008年)という映画を観た。
『雑食動物のジレンマ』の著者であるマイケル・ポーランが製作に関わり、第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされている。

世界の食の問題を一言で言うと、多国籍企業が政治家を取り込んで、食を独占できるように法制化して、健康に悪い食品を安く提供するシステムを形成しているということである。メキシコの大豆農家を破綻させて、彼らを不法入国者と知りながら低賃金で3K労働に従事させる。遺伝子組み換え大豆以外は栽培できないような法制化された米国の農業に驚愕した。それに、ブッシュもクリントン両大統領が加担していたのである。低賃金で働く労働者は、スーパーに並ぶお手ごろ価格の食品が健康に悪いと分かっていても買わざるをえない状況にある。そんな身近な疑問から、アメリカ国内における巨大化した農業市場の問題、そして、大量消費・大量生産される“食”の知られざる裏事情に迫っていく。

パンフレットにあった製作者からのメッセージを次に挙げたい。

・労働者や動物に優しい、環境を大事にする企業から買う
・スーパーに行ったら旬のものを買う
・有機食品を買う
・ラベルを読んで成分を知る
・地産食品を買う
・農家の直販で買う
・家庭菜園を楽しむ
・家族みんなで料理を作り、家族そろって食べる
・直販店でフードスタンプが使えるか確かめる
・健康な食品を教育委員会に要求する
・食品安全基準の強化を議会に求める

「システムを変えるチャンスが1日に3回ある。世界は変えられる。ひと口ずつ。変革を心から求めよう。」
放射能汚染だけでなく、日常の食に関心を向けよう。(山本和利)