札幌医科大学 地域医療総合医学講座

自分の写真
地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年10月4日月曜日

患者と医療従事者とで創る物語

 10月3日午前中、メンタルケア・スペシャリスト養成講座で「患者と医療従事者とで創る物語」という講義を行った。受講者の1割くらいが男性。

導入は私自身の若かりし日に実践した静岡県佐久間町の地域医療の紹介から入った。その後、オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』に収録されている、診察室では「失行症、失認症、知能に欠陥を持つ子供みたいなレベッカ」、しかし、庭で偶然みた姿は「チェーホフの桜の園にでてくる乙女・詩人」という内容を紹介した。最近発刊された「音楽嗜好症」もついでに紹介。
医学教育における視点の変化を紹介し、研修医、総合医には、持ち込まれた問題に素早く対応できるAbility(即戦力)よりも、自分がまだ知らないも事項についても解決法を見出す力Capability(潜在能力)が重要であることを強調した。

後半は、本題のナラティブの話。6つのNarrative要素:Six “C”を紹介。
隣にたまたま座った受講生同士で話し合いながら講義を進めたので、笑いに包まれ和やかに進行した。聞き上手の精神対話士になってください。(山本和利)