札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年10月1日金曜日

学生担当症例の検討会

9月30日、金沢大学総合診療部の学生実習の振り返りに参加させてもらった。MSワードに書かれた文章を供覧しながら発表。従来の症例検討のスタイルである。

第一例目。嘔吐、頭痛、心か部痛の20歳代の女性。バッファリン内服中。その後、右下腹部痛が出現。学生は片頭痛と思っていたと。それぞれの問題について診断名を挙げていたが、できれば一つでまとめてほしいとコメントした。20歳の女性ということなので、オッカムのかみそり(Occam’s Razor)「一つの原因は観察されるすべての事象の源である」でゆく。もう一点患者自身の説明モデルを追加するよう指摘した。推測:片頭痛とバッファリンによる胃腸障害に虫垂炎など感染性の腸疾患を併発したと考えた。

第二例目。60歳代男性。膵がん・胃癌術後。抗がん剤治療中に急性白血病化した。地固め療法中、ショック状態。救急車で心停止。救急対応で蘇生。学生は最初、敗血症性ショックと考えたが、後でカリウム値が高く、クレアチニン値も高かいことが判明。考えるべきこと多数あり。

第三例目。汎血球減少で多発性骨髄腫を疑い精査となった80歳代女性。歩行障害あり。診断後、多発性骨髄腫の新薬を開始した。高齢者に対してどのように治療をしてゆくかが議論された。

小泉教授が3例に2時間かけて学生を指導する従来型の症例検討のスタイルが、久しぶりでありそれが新鮮でもあった。(山本和利)