札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年4月15日月曜日

多発性硬化症と視神経脊髄炎


日本内科学会総会・講演会で東北大学 藤原一男教授の講演を拝聴した。

 

多発性硬化症(MS)の標的:ミエリン

視神経脊髄炎(NMO)の標的:アストロサイト病

 
816/10万名と有病率が低い。北に多い。NMOは日本に比較的多い。

 
非典型的MSの診断には要注意。若い女性の頻度が増している。

 
遺伝

HLA-DRA,helper T cell 関連因子が関与。

環境要因

EBウイルス、喫煙、ビタミンDが低い、塩分摂取が関与。

 
RIで診断

2回、2カ所の中枢神経の炎症性病変

脳室周囲、皮質直下、テント下、脊髄の4つのうちの2つ。

 
治療は

ステロイドパルス、血漿交換

フィングリモド、インターフェロンβが用いられる。

 

視神経脊髄炎

アクアポリン4抗体陽性が60%であり、精髄病変が長い、髄質中央を侵す。

しゃっくり、嘔吐、過眠症が初発のこともある。

 
多発性硬化症と視神経脊髄炎とでは治療法が異なるだけでなく、間違って用いると悪化させるので、区別して診断を下すことが重要となる。(山本和利)