札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年4月15日月曜日

胆石症の病態と治療


日本内科学会総会・講演会で広島大学の田妻進先生の講演を拝聴した。


日本人の胆石保有率は13%で、加齢と伴に上昇する。胆嚢ポリープは5%程度。

コレステロール胆石が60%をしめる。起こりやすさ;5F”(fair, fat, female, forty, and fertileが有名。


診断と治療

エコー、CT,MRCPERCP, EUS等がある。

症状の有無による対応。

無症状では経過観察でよい、有症状化は24/年である。

有症状では胆摘を勧める、20万件/年(日本)行われている。

 
コレステロール結石は、経口溶解療法がよい。これはエコーをしないでCTで診断しようととすると見逃すので要注意である。


総胆管結石は積極的に行う。

肝内結石のうち、胆管手術例が2/3である。バルーン内視鏡が行われつつある。半数が内科治療でよい。重症度により、対応を変える必要がある。肝内胆管がんが2%に発生。利胆剤はこれを減らす。


胆石の死亡率の第1位は糖尿病、第二位は心血管疾患であり、胆嚢癌が増えるというエビデンスはないようだ。(山本和利)