札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年4月15日月曜日

炎症性腸疾患


日本内科学会総会・講演会で東京慈恵医科大学 細谷龍男教授の講演を拝聴した。

 
若年者に多い。慢性に炎症が持続し、QOL(quality of life)が悪い。根本治療がない。

というのが「炎症性腸疾患」の特徴とこれまで言われていた。これも変わりつつある。

 
日本では20万人の患者がいる。全身の免疫異常があって腸炎が発症する。

腸内細菌が関係らしい。マウスモデルでは病態が解明されていない。腸管に異常なマクロファージの機能異常が問題であり、TNFαが関与する。

 
診断法が進歩している。カプセル内視鏡、ダブルバルーン・シングルバルーン内視鏡、CT enterography等が有効である。

 
TNFα製剤が著効を示すようになり、患者予後は大きく変わりつつある。

ステロイド抵抗性を示す患者群が問題となる。

重症群には抗TNFα抗体、タクロリムス:50%に有効である。これは34に有効で、外瘻、痔瘻にも有効。中程度群には白血球除去術、等がなされている。(山本和利)