札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年4月15日月曜日

日本人の肺がんの特徴

日本内科学会総会・講演会で九州大学 中西洋一先生の講演を拝聴した。

 
日本人の予後は良好である。

5年生存率は手術;66%、非手術10%。欧米より優れている。

これは生物学的特徴によっている。

喫煙は肺がんのリスクを20倍増やす。喫煙と男性は69%、女性は20%が関係している。

逆にいうと男性30%、女性80%はタバコと無関係といえる。

 
上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子異常はアジア人、女性、非喫煙者、腺癌に多い。EGFR阻害薬が著効する。(ゲフィチニブ、エルロチニブ)30%に効く(欧米では5%)

 
アジアにおける非喫煙肺腺癌患者にたいしてIPASS Studyを行った。上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子異常者は標準治療よりも治療成績がよかった(標準治療;シスプラチン+エトポシド)。

肺がんについては、日本人の臨床試験を参考にする必要がある。日本の肺がん臨床試験が欧米に住むアジア系住民の肺がん治療を変えつつある。(山本和利)