札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年4月15日月曜日

輸入感染症

日本内科学会総会・講演会で墨東病院 大西健児先生の講演を拝聴した。

 
輸入感染症に対する問題点

患者は渡航先の感染症の知識がない(海外渡航者数、毎年1700万人)。

医師はその知識に乏しい。

医療機関が治療薬を持っていない。

医学部で教えていない。

 
熱帯熱マラリア

パプアニュウギニアへ旅行患者が3つの病院で見逃された。鑑別にマラリアが入っていない。知識不足である。

 
旅行者下痢症が多い。下痢、発熱で受診する。

デング熱、マラリア、腸チフス、パラチフスを鑑別に入れること。渡航歴を訊く。特に一ヶ月以内。潜伏期:腸炎は1日から3週間、マラリア;一ヶ月。狂犬病:3ヶ月。熱帯熱マラリア、狂犬病は見逃してはならない。(治療薬を常備すること)。専門病院を紹介する。

ウイルス性出血熱、鳥インフルエンザは社会に与える影響が大きい。

 
速やかに診断することが重要。検査室に輸入感染症の可能性を伝える。

検体から病原体そのものを検出する。

下痢;便

発熱;血液培養、胸部XP

 

マラリア、デング熱には診断キットがある。数分で結果が出る(保険適用なし)。

下痢患者、発熱患者に抗菌薬を使ってはいけない。(山本和利)