札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年11月8日金曜日

糖尿病診療における内分泌疾患の意義




47回日本糖尿病学会北海道地方海で市立札幌病院の 和田典男先生の講演を拝聴した。

 

潜在性甲状腺機能低下症と糖尿病慢性合併症

脂質代謝の異常が問題とされたていた。

潜在性甲状腺機能低下症(TSH>4)が糖尿病慢性合併症のリスクとなる。

アジアではよく見られる。

腎症(微量アルブミン)のリスクはオッズ4.0

日本:オッズ3.5、網膜症も多い(ただし罹患年数、年齢に差がある)

ホルモンを補充したらよくなるか。糖尿病群だけではないが、腎保護作用がありそうだ。(ランダム化されていない)

抗TPO抗体による腎症の進行オッズ:6.0

推奨:糖尿病患者には甲状腺機能のスクリーニングすることを勧める。低下には補充が進められる。

 

原発性アルドステロン症

糖尿病患者の高血圧からPAの頻度:11%前後。ARBを内服していてもホルモンスクリーニング影響は少ない(偽陰性がやや増える)。

推奨:レニンとアルドステロンの測定を勧める。

 

糖尿病における潜在性クッシング症候群

頻度:1-3%

デキサメサゾン1mg抑制試験(日本は0.5mg)で診断、疑い例に終わっていることが多い。

推奨:一般医ではスクリーニングは推奨できない。

(山本和利)