札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年7月31日土曜日

休学のすすめ

7月30日、「第42回日本医学教育学会大会」で黒川清先生の講演を聞いた。
現在日本社会の特徴は、1)高齢化社会、2)都市部に75%の人々が集中、3)貧困化がすすみ不満が鬱積、4)40-60歳代男性の自殺の増加、であるという話から入った。

  医学教育を変革するのには、社会の変化や国民のニーズを知らなければならないが、医療人側がそこに無頓着であるということを鋭く批判した。誰でもどこでも一般の人が見て知ることができる「web2.0」時代となり、自分たちだけ、日本だけがよければよいという時代は終わった。公共のニーズに応えなければならない時代である。そのために、日本を外から見る体験が重要であり、その一つとして「休学」をすすめている(半分本気のようでもあった)。
  単に医師数を増やしたり、自分の専門領域の医師が増えたりすればそれで日本の医療問題が解決するのか?
  まさにミクロの合理性追求が、マクロの不幸に繋がるという「合成の誤謬」に言及したものであると思った。

いつもながら大変勢いのある講演で元気をもらった。(山本和利)