札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年7月5日月曜日

第105回医師国家試験出題打ち合わせ会

5月25,26日、東京で開催された医師国家試験会議出題打ち合わせ会に参加した。
医師国家試験に求められるものは、「卒前教育の出口」「卒後教育の入り口」として基本診療能力を確認することである。医師国家試験の出題は教育へ与える影響が大きい。医師国家試験出題の今後の方向性として、1)頻度の高い病態について問う、2)確定診断等ではなく臨床判断について問う、3)検査値の列挙よりも生活歴、社会歴、身体所見を重視する、である。
  会は問題の作り方、文言の用い方等の解説があり、グループ演習と夜9時まで続く。各グループで模擬問題を2、3問作成し、翌日朝に参加者から意見を求めて修正してゆく作業を繰り返す。参考までに、「臨床実習」は単なる技能の習得ではなく、直接に患者と接しながら診療に関する思考力(臨床推論)等の習得を目的とするものである。
  臨床実習を重視し、コミュニケーション能力や態度について多面的に評価する作問つくりを目指すための会議であるという印象を受けた。医師国家試験が厚労省を含め参加者ひとりひとりの熱意で支えられていることを実感する会でもあった。
  情報管理の関係から、官報に発表された7月1日を待ってブログ掲載とした。(山本和利)