札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年10月8日月曜日

地域医療の現状と課題

106日、余市協会病院の70周年記念講演会に招かれ、「地域医療の現状と課題」の講義を行った。映画『ダーウィンの悪夢』を導入に「ミクロ合理性を足し合わせた結果、マクロ状況の不合理につながる」という話をした。医療界においても医師それぞれが自分自身の眼の届く範囲で一生懸命やっていても、総和として地域医療がうまくゆかないことに結びつけて話した。

医師の時間の20%は利他的な活動に割くようなことが必要なのではなかろうか。次に実際に出会った患者さんの例を挙げながら、現実の医療の現場は混沌として、単純化できず一筋縄ではゆかないことを話した。

混沌とした現実に対応できる総合力を持った医師が求められる。最後に、地域医療再生の5つの作業仮説を述べた。余市町長や医師会長も聴講しており、熱心に聴いてくれている雰囲気が伝わってきて大変話しやすく、気持ちよく講演を終えることができた。(山本和利)