札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年10月3日水曜日

医療面接

102日、医療面接の導入の講義を山本和利、稲熊良仁助教が行った。例年より半年前倒しになっている。

授業の最初に、稲熊助教が「医療面接の理論と基本」の話をした。第一段階は医療とコミュニケーション。ファーストフォード店の店員と医師の違いを問いかけた。「医療は最初からリスクの高い職場である」「患者やその家族の感情の中で働く」「マニュアル化しにくい事象を扱う」こと、患者には相反する気持ちが同居しているので、それに対応できるだけの理論と技術が必要であることを強調した。

2段階、非言語的と言語的コミュニケーションを説明。場のセッティングが重要である。空間をコントロールすること、身だしなみを整えること、自分の第1印象をコントロールすること。聴く技術と訊く技術の大切さを強調した。

第三段階、医療面接の実際を解説した。

Take home Messageは「医療面接もコミュニケーション技法を用いた一つの技術である」「技術に心を込めるのがプロフェッショナルである」

 
後半は山本和利が、津田司先生監修のビデオテープで医療面接について解説をしながら授業を進めた。このビデオには故田坂先生が医師役で出演している。

ポイントは

・身だしなみ、言葉づかい、礼儀

・医療面接の目的、意義

1.         患者と良好な関係を構築する

2.         患者から情報を収集する

3.         患者への働きかけ(治療・教育)

・面接の手順と把握すべき情報

はじめはOpen-ended questionを用いること、その後にClosed questionに移ること。

・基本的コミュニケーション技法

1.        導入

2.        主訴の把握

3.        共感

4.        説明モデルを知る

5.        不足分を直接質問法で補う

6.        既往歴・家族歴・患者背景を聞く

7.        要約と診察への導入

8.        患者教育・治療への動機付け

次回は学生同士で実際にシナリオを用いた実習である。頑張って!(山本和利)