札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年12月4日火曜日

地域医療と救急医療


124日(火)「地域医療と救急医療」について、医学部4年生に講義をしました。

以下、授業内容を要約します。

これまで、我が国の救急医療体制は医療機関の体制整備を中心としていましたが、緊急を要する救急搬送中の傷病者の医療確保を図る体制整備、いわゆる病院前救護体制の構築が進められております。

病院前救護におけるメディカルコントロールとは、 地域全体を1つの医療機関とみなして医療機関内と同様の仕組みで傷病者に提供する医療サービスの「安全」と「質」を保証することです。

プロトコルとは、医学的根拠に基づいて、地域の特性に応じて策定します。

プロトコルで指示する内容(4つのT

1.Triage:観察に基づく緊急度・重症度評価

2.Treatment:安定化・処置

3.Transport:搬送手段、搬送時間

4.Transfer:搬送先医療機関

救急救命士における院外心停止例に対する医師の具体的指示(特定行為)

1.乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液

2.食道閉鎖式エアウェイ、ラリンゲアルマスク及び気管内チューブによる気道確保

3.アドレナリンを用いた薬剤の投与

以上、地域全体をひとつの医療機関としてとらえ、地域特性に応じたプロトコルを作り 、MC協議会を通して多職種で「顔の見える関係」を構築することが大切であると考えます。

(助教 河本一彦)