札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年1月18日金曜日

試験と記憶

先日、4学年対象の「地域医療学」と「臨床疫学」の試験が終了した。満点に近い者から不合格までいろいろである。

さて、ある実験についての報告(脳科学者:池谷祐二氏の講演)。

1.ある語学試験後、出来た問題もできなかった問題もすべて復習し、全問同じ再試験をする。これを全問正解するまで続ける。

2.ある語学試験後、できなかった問題だけ復習し、全問同じ再試験をする

3.ある語学試験後、出来た問題もできなかった問題もすべて復習し、できなかった問題だけ再試験をする。

4.ある語学試験後、できなかった問題だけ復習し、できなかった問題だけ再試験をする

結果は、どれも変わらなかったそうだ。ならば、できなかった問題だけ復習し、できなかった問題だけ再試験をすればいいように思える。

ところが、数ヶ月後に再試験をすると、全問同じ再試験を受けた群だけが有意に成績がよかったそうだ。81%対31%。

これから言えることは、知識を入力すること(学習)よりも出力すること(試験)が記憶には重要であるということである。知識を溜めることより、他人に示すことが大切ということだ。入力した情報を入れたままにするよりも、誰かに教えることが実は自分の記憶にとどめるのに最良の方法と言えるのだろう。(山本和利)