札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2013年1月17日木曜日

着陸時の頭痛


飛行機での旅行に関連して起こる疾患として、深部静脈血栓症静脈血栓症(エコノミークラス症候群)が有名であり、気圧の変化で耳が痛くなることもある。これは航空性中耳炎というらしい。

最近、飛行機の離陸時に必ず右前額部の痛みを起こす患者さんの相談を受けた。調べてみると、これは航空性副鼻腔炎として知られており、副鼻腔が風邪や炎症で詰まっていると、空気の出入りが妨げられて、気圧が変化したときに、中耳炎と同じように症状を起こすという。鼻づまりのような症状のほか、頭が重く感じたり、頭痛、頬の痛み、目の奥の痛んだりの症状が現れる。

対処法を聞かれ、着陸態勢に入ったら鎮痛剤を内服してはどうかと提案したが、一般的には航空性中耳炎と同じで鼻をつまんでつばを飲み込む、あくびをする、飴をなめる等の耳抜きを行うことが勧められている。

この相談を受けるまで、このような病態を意識していなかったが、ネットで検索すると意外とたくさんの方が悩んでいるようだ。(山本和利)