札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2014年7月22日火曜日

B型肝炎


 
7月20日、日本内科学会第51回生涯教育講演会が行われた。
 
信州大学 田中栄司先生
 
■B型肝炎(HBV)
 
B型肝炎は多彩な病態を示す。
HBsAg(現在感染)
HBsAb(過去感染)
HBcAb(現在+過去感染)の3つでスクリーニングをする。

HBV DNA量が7ログ以上が高容量、4ログ以下が低容量である。
複製の起点であるHBVcccDNAをどの薬も破壊できないため、HBVを完全に排除できない。
 
日本人に多いGenoetypeC,Bjである。B型はインターフェロンに反応し、非活動性に移行しやすい。A型はキャリア化しやすい。
 
治療薬はインターフェロンと核酸アナログ(エンテカビル)である。インターフェロンは治療期間が2448週間と限定されている。核酸アナログはHBV複製過程を直接抑制する。今年度登場するテノホビルは妊婦への安全性が高い。インターフェロンはdrug freeをめざし、35歳未満の非伸展性活動性肝炎が適応となる。
 
HBs抗原陽性のHBVキャリアでは、通常の化学療法でも高率に再活性化する(Denove肝炎)ため、基本的にエンテカビルの予防投与を行う。
ステロイドは、ウイルスを直接刺激し、リバウンドを起こすので要注意である。