7月19日、日本内科学会第271回地方会が行われた。
症例からのtake home message
■逆流性食道炎加療中の患者で下痢が続く。ランソプラゾールによるcollagenous colitis の可能性を考える。縦走する線状潰瘍が特徴。
■栄養不良患者を急激に栄養改善を図ったとき起こる障害をrefeeding
syndromeと呼ぶ。BMIが16以下のときは栄養投与前から電解質、ビタミンの補給をし、水分、熱量の補給を小量から徐々に増量すること。
■発熱のみの側頭動脈炎もある。臨床症状の乏しい不明熱の鑑別診断の一つである。
■肺クリプトコッカス症(続発性)は、糖尿病患者ではHIV患者についで多い(12%)。死亡率は15%で、非糖尿病患者の2-3倍高い。
■癌治療中の視力障害は、眼寒連網膜症を考える。
■リネゾリド (linezolid) は抗生物質の一種で、バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得したバンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin-resistant
Enterococci, VRE)および黄色ブドウ球菌
(Vancomycin-resistant Staphylococcus aureus, VRSA) に有効な新薬として登場した。安易に長期投与すべきではない。薬事性末梢神経障害を起こす。
■前立腺炎の治療中に、感染性動脈瘤が発見された報告。
■8トリソミーを伴う骨髄異形成症候群では、小腸潰瘍、結節性紅斑などベーチェット様症状を伴うことが多い。