札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2012年4月22日日曜日

ニポポ6期生研修発表会




4月21日、札幌市かでる27で北海道プライマリ・ケアネットワークの理事会、定期総会が行われた。会員数は法人26、個人3である。

総会に引き続いて、6期生の研修発表会が行われた。松浦武志助教が司会進行。

研修医から振り返り3題。

ある研修医。1年間の振り返り。週2回、総合内科外来。胃腸炎、上気道感染。生活習慣病。腹部大動脈解離、顔面神経麻痺の患者が印象的であった。整形外科外来を担当。関節内注射を積極的に行った。OA,捻挫等。

手技:上部消化管内視鏡、下部消化管内視鏡。貧血、便潜血陽性患者に対応できる自信がついた。吐血患者の止血をするまでには至っていない。病棟では悪性腫瘍、感染症、common diseasesを受け持った。

小児科では、気管支肺炎、喘息、胃腸炎を主に受け持ち、それらへの対処に自信がついた。

手を尽くしても治療が奏功せず亡くなられた患者さん(前回行った振り返り)を提示。

ある研修医。子どもから高齢者まで、男性、女性を家庭医療に軸足をおいて研修しようと思った。幅広い診療能力。地域の行政との連携。医療に留まらず幅広く様々な分野を勉強したいと思った。

プレゼンテーションの技法、抗菌薬の選択、EBMを重視した診察が大切と思った。呼吸器、消化器、循環器、内分泌、代謝等、様々な症例を経験した。救急分野の講習会に参加し、様々な資格を修得した。



高齢の原発性胆汁性肝硬変の女性。橋本病、ITPの既往。腹部膨隆、浮腫が著明。この患者をどうするか。在宅医療に移行できないか模索。家族の介護を受けて、家族の絆が強まった。退院後、しばらくして昏睡に陥った。なごやかに死を迎えた。入院から在宅診療、看取りまで関わることができ、意義深い症例であった。心の葛藤を振り返ってくれた。



ある研修医。2年間の初期研修が役に立っていないことを実感。当直月3回。外来は週に半日を2回。夜間呼ばれることは年に3回。病棟では1年間に104名を担当。肺炎、喘息、腸炎、肝硬変、電解質異常、糖尿病、髄膜炎、心不全、膠原病、貧血、脳梗塞、等を担当。看取り4名、転科・転院5名。

高齢男性である非胆癌患者の終末期医療について報告。ドパミンを使ったが、家族との関わりを増やせば、使用しないですんだかもしれないと反省した。



参加者から、疾患の診断に関する質問や指導医から思い出話などが出た。(山本和利)