札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年1月25日月曜日

指導医のためのワークショップ

北海道・北海道医師会主催の「指導医のためのワークショップ」にチーフタスクフォースとして週末の2日間を札幌のホテルで過ごした。前日18時に事前打ち合わせ。その後の食事会では医師会長選、PC関連の三学会統合についての話で盛り上がる。

第1日目。道内各地から28名が参加。6グループでワークショップ。ワークショップ未経験者が半数以上である。主催者の挨拶後、私の担当であるアイスブレイクで開始。明治大学教授である斎藤孝氏の講演会で学んだ偏愛マップを利用。1分間ジャンプと拍手・ハイタッチで体をほぐし、気分を盛り上げ二人一組になって自分の好きなテーマに絞って会話を開始してもらった。皆さん時間を忘れて会話に打ち込んでいる。笑いがあちこちで起こり、企画者としては一安心。

気分が解れたところでさあ本番である。まずは最近の医学教育の流れについてミニレクチャー(成人学習理論、SPICESモデル、アウトカム基盤型教育、コアカリキュラム改訂の内容等)後に、「北海道における医師養成」の問題点についてKJ法を用いて討論する。様々な意見がでたが、私の担当したグループでは指導医の研修不足が最大の問題であるということになった。昼食後、「学習目標」「学習方略と教育評価」を2セッションに分けて6時間かけて行った。夕食後、ナイトセッションで「北海道における地域医療」と題して、道庁の職員から地域医療の現状を報告してもらったところ、総合討論でたくさんの質問が出て盛り上がった。地域の医師不足解消を訴える声が多かった。21時にやっと第一日目の日程を終了し、懇親会へ移動した。受講者の満足度は5点満点で3.4であった。

第2日目。「フィードバックについて」シナリオを用いた三人一組によるロールプレイ。緊張しやすく技術が未熟な研修医、当直明けで眠気を堪えて外来研修を受ける研修医、問題をあちこちで起こすのに自信満々の研修医の3シナリオを用いて和気藹々とした雰囲気の中で行われた。続いて「あなたにもできる外来教育」セッション。外来教育の問題点、具体的解決策をグループ討議。その後、二人一組になって5 microskillのシナリオの読み合わせで8シナリオをこなす。昼食をはさんでの「teaching pearlを共有しよう」のセッションでは、受講者の得意の演目を10分間、グループ内で講義をしてもらった。その後、プレゼンテーションの仕方についてフィードバックを受ける。このセッションは(始まるまではストレスフルのようだが)いつも受講者に大変好評である。受講者の満足度は3.8と第一日目を上回る評価となった。修了書授与式、参加者全員の写真撮影で閉会。

札幌に居ながらホテルに缶詰となり、家族と離れて祝った56歳の誕生日であった。

(山本和利)