札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2009年12月21日月曜日

研究取材:弓削メディカルクリニック

研究取材の第3弾である。

今回の取材地は滋賀県にある弓削メディカルクリニック。香ばしいうなぎの匂いがあちらこちらでする浜松を朝7時に出発する。新幹線を使って米原経由で近江八幡駅へ。

各駅停車の電車の窓に映る瓦屋根や寺社仏閣が懐かしい。9時、弓削メディカルクリニックに到着。元産婦人科病院という2階建ての施設である。ナース兼ケアマネージャー兼経営者の雨森先生の奥様に施設を案内していただく。一階が診療室で、2階が会議室と研修医等の短期住居として利用されている。現在常勤医師が4名で、外来診療、在宅ケアを中心に活動しているが、来年度の医師確保が課題のようだ。その後、雨森先生の予約外来を見学する。関西弁の挨拶で始まり和やかに診療が進んでゆく。電子カルテをフル活動させている。時系列にして印刷した検査データを患者さんに手渡しながらユーモアをまじえて説明してゆく。この電子カルテへのアクセスは顔面認証だそうだ。繁忙時診療終了後に使用するディクテーション入力であるが、電子カルテに先生が言ったと通りに音声を吹き込むことで正しい漢字に変換されてスラスラと入力にされてゆく。大学よりも開業医の先生方のほうがはるかに医療の電子化にすばやく対応している。

研修医の先生にインタービュ。臓器専門医志望である2年目研修医。診療所の実態が把握できるし、医師の紹介状の利用の仕方、家族背景や住宅状況の把握など、大学病院では経験できないことをたくさん学んだと、2週間という短期間であっても好評であったようだ。その後、その日勤務の医師の方々と雑談をしながら昼食をいただく。雨森先生に近江八幡駅まで送っていただき、新大阪経由で曇天に変わった関西空港から雪降る札幌へ戻った。

(山本和利)