札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年5月21日金曜日

臨床疫学大学院

 6月から当講座に、医学哲学に興味を持つ大学院生を迎えることになった。

 定期的にミーティングをしながら一緒に勉強をしてゆきたい。

(山本和利)

 

2010年5月20日木曜日

ニポポ・スキルアップ・セミナー:自殺企図ケースのトリアージ

 5月19日、札幌医科大学においてニポポ・スキルアップ・セミナーが行われた。講師は勤医協中央病院の田村修先生である。年間3万人の自殺者があり、自殺の動機は健康問題、経済問題が多い。4つの類型にすると、1)精神病状態による自殺(幻覚妄想から逃れるため)、2)うつによる自殺(悲観的思考に支配され遂行)、3)衝動的な自殺(一番多い、急激な葛藤、酩酊状態、パラ自殺)、4)倫理・哲学的な自殺(安楽死、自殺幇助)、となる。
 患者を診たとき、身体的評価(身元の確認、自殺手段の確認、バイタルサイン、外傷状況の評価、意識・見当識の確認)、精神医学的をする。治療をする際には、誤嚥性肺炎、低体温、横紋筋融会解症を念頭に置くべきである。最近はあまり胃洗浄は行われないが、炭酸リチウムは活性炭に吸着しにくいので胃洗浄をする。強制利尿はしない。輸液量は脱水の予防・補正程度で十分である。三環系抗鬱薬中毒にメイロンがよい。治療への抵抗が強い場合は、精神科への移送、sedation、家族が来るのを待つ。再自殺リスクの評価が重要である(自殺企図であることの確認、動機の確認、今回の行動に対する患者の評価)
 患者を診察する際にはTALKの原則に則って行う。 Tell(話しかける), Ask(自殺の確認), Listen(傾聴), Keep safe(安全の確保)。
 ここで飛び降り自殺事例による実習を行った。「死のうと思って飛び降りた」と語った患者にどう応答するか。「死のうと思って飛び降りた」を医師が復唱して確認すること。語らない患者の場合、誘導して自殺であることを確認する。拒絶的な態度の場合には希死年慮が持続しており再自殺率が高い。その場合、速やかに家族に面会してもらう。ころころ言うことが変わる場合も要注意。
 パラ自殺とは、明確な自殺目的ではなく繰り返される自傷行為の総称。粛々と対応。かかりつけ医に手紙を持たせる。
 自殺の再発防止のため、死なない約束をする。フレーズ「死にたいくらい辛かったのだ。辛いからといって死なないでください」「あなたの命が生きることを選んだのですよ」。言葉を選ぶ緊張が会場に張り詰める。祈るような気持ちで言えることが大切である。自分の感情に焦点を当てる。患者と適度な距離を保って考える。チームで考える。患者の運に差し戻して祈る。ひとつひとつの言葉の重さを実感する講義であった。(山本和利)

5月の三水会

 5月19日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は12名。
 今回は大門伸吾医師が司会進行役。ある研修医は、家庭医研修の一環としての研究プランを発表した。病院への受療行動を質的に研究したい。地域診断をして、ヘルス・プロモーションを行い、受診率を上げたい。中高生への健康教育を行うことでその親である35-55歳の住民にアプローチし、なぜ地元の市立病院を受診しないのかを、教職員への教育、PTAへの講演、生徒への教育を介して、情報収集したいと。デルファイ法を用いて各年代にかかわる人たちを抽出し自由に意見を書いてもらう方法も考えている。どのようにしてアンケートをとるかなど問題点が浮き彫りになってきた。
 別の研修医が、脳梗塞、パーキンソン病で経口摂取ができなくなった高齢女性の事例を報告した。胃瘻を増設せずCVポート埋め込みをしたが、今後どのようにしたらよいか。これまでに自宅で老人が食べられなくて死んでゆく場面に出会ったことがない。自宅で介護ができないと病院に置いてもらい、病院の方針に家族は従うしかないということもあるのか。様々な意見が出た。
 肝障害、肺線維症を抱える50歳代女性。医師の伝える病名に納得せず、説明に苦慮する事例。呼吸苦、不眠。過去に家庭内に不幸な事故があった。不信感を一度もたれてしまった患者にどのようにしたらよいのか。
 総合内科の仕事には波がある。全科救急当直の報告。頭部外傷での教訓:「画像より先に止血をしなさい」。肘内障や痛風発作患者を経験。胸が締め付けられる50歳代男性。AMIを疑ったが最終的に大動脈解離と診断された。一段落したところで寿司を食べながら個々の事例を発表し合う。(山本和利)

臨床疫学大学院

 6月から当講座に、学内事情で医学哲学に興味を持つ大学院生を迎えることになった。
 定期的にミーティングをしながら一緒に勉強をしてゆきたい。
(山本和利)

2010年5月17日月曜日

富良野協会病院総合内科

 514日、富良野協会病院で総合内科の外来と病棟の指導に出向いた。院長から北海道プライマリ・ケアネットワークから来ている医師のお陰で入院患者が20名増えたと感謝の言葉をいただいた。外来指導は研修医2名と札幌医大の学生1名の計3名に行った。学生さんには頭痛を主訴にする女性と咳と前胸部痛の女性が当たった。OSCE終了後だけあって、申し分のない態度で医療面接ができていた。

 午後はカンファランスに参加した(6名参加)。糖尿病コントロール不良の高齢の男性。インスリン製剤の使い分け、内服薬との併用の仕方、自己血糖測定の結果を治療法に反映させる方法などを助言した。中年の意識低下、けいれん発作について、多剤の内服が追加になったこと、CPKが明らかに上昇していることなどから薬剤による痙攣と判断し、かかりつけ医に内服調整してもらうよう助言した。

 若い医師たちと臨床の問題をディスカッションするのは楽しい!(山本和利)

2010年5月13日木曜日

特別推薦枠学生課外授業

513日、特別推薦枠学生(3年生)対象に、授業の空きを狙って課外授業(胸部X線の読影)を行った。講師は寺田豊助教が勤め、教材になりそうなレントゲン写真を集めて講義がなされた。学生10名が参加し、内蔵逆位例、片側乳房切除例、気胸例など提示されたレントゲン写真を見ながら和気藹々とした雰囲気で質疑応答が行われた。

特別推薦枠一期生は8名であるが、それを上回る10名が参加してくれたのがうれしい。(山本和利)

研修医通信

 57日、「よりよい研修ライフを応援する 研修医通信」という研修医向け雑誌の取材を受けた。学生時代の思い出、当時思い描いていた将来像、研修医時代の様子や心に残るエピソード、研修医に望むこと、北海道プライマリ・ケアネットワーク(ニポポ・プログラム)の活動、目標などをインタービューされた。30分の予定が2時間ほどになってしまったが、若い頃を思い出し、有意義な時間を過ごすことができた。

 目標は「医師の半数をジェネラリストにすること」と答えたが、大風呂敷と言われるか。

 この内容は研修医通信No.36 20108月号(81日発行)に掲載予定である。(山本和利)